理系×文系夫婦のマイル日記

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カタールで今何が!?格安航空券で人気のカタール航空はどうなる?

 

カタール問題勃発!カタールで今何が!?格安航空券で人気のカタール航空はどうなる?

2017年6月4日にサウジアラビアを中心とする4か国がカタールとの国交を断絶しました。カタールは日本への天然ガス供給元であると共に、ヨーロッパ圏への重要な航空ルートとして知られており、特に近年ではカタール航空が安売りのチケットを販売している。格安チケットの検索ができるサイトでは、ヨーロッパ向けの航空券が最安値常連です。

 

で、なんで中東の専門家でもない私が記事を書いてるかと言うと。

私乗る予定なんですよね!

マイルはいっぱいあるのですが、今回目的がベネチア出航のクルーズだったので、日程があまりにピンポイント過ぎて特典航空券取れなかったんですね。なので、安いチケット買いました。中東系のエアラインに順に乗ってみたいなと言うのもあって。

私はネタキター!!!って喜ぶタイプの人間なので、困るどころか今めっちゃニコニコしてますが、普通の旅行者やビジネスマンにとってはたまったもんじゃありません。カタールで検索してここに来たあなたの少しでもお役に立てればと自分のために(9割くらい自分のためのような気もする)カタールの今の状況とカタール航空についてまとめてみましょう。

ニュースは随時更新されると思うので、これから随時追記していきますね。

 

カタールに何が起きた?

2017年6月4日サウジアラビアを中心とする、バーレーン、エジプト、アラブ首長国連邦の4か国がカタールとの国交を断絶した。

その後、イエメン、モルディブ、リビアも国交断絶を表明し、計7か国から国交断絶を宣言されています。

カタールは宣言された7か国から、外交官の引き上げを命令されると共に、陸路、海路、空路が封鎖され、海上のタンカーなどがサウジアラビアやUAEに入国禁止になっています。

また、各航空会社が早々に国交断絶を表明した7国との路線の運休を発表しています。

サウジアラビア航空、カタール便すべて運航停止 | ロイター

エミレーツ航空、ドバイ〜ドーハ線を運休 カタールとの断交で - トラベルメディア「Traicy(トライシー)」

エティハド航空、アブダビ〜ドーハ線を運休 6月6日の1往復で - トラベルメディア「Traicy(トライシー)」

カタール航空、サウジアラビア発着の全便運休 カタールとの断交で - トラベルメディア「Traicy(トライシー)」

 

※6月7日追記

モーリタニアも国交を断絶。6月7日現在カタールと国交を断絶した国は計八か国になりました。また、ヨルダン政府もカタールとの外交を格下げにすると表明し、カタールのTV局中東のCNNことアルジャジーラのヨルダンでの放送免許を剥奪すると発表しました。

※6月8日追記

コモロも国交断絶を表明。カタールとの断交国は計9か国(9.5?)となりました。

どこ・・・?と思ったと思います。私もです。

Google先生とWikipedia先生によるとモザンピークとマダガスカルの間くらいにある島国でイランと仲がいいとの事。現在の大統領がイランにイスラム教の修行(留学?)に行ったのでそのツテで経済援助を貰っているとも、スンニ派イスラム国であるコモロをシーア派国に転換したい思惑があるとも言われています。

 

なぜカタールは国交断絶されたのか。

6月6日現在これが原因で国交が断絶されたと示す明確な事件は発表されていません。

オフィシャルな声明としては、カタールがテロ組織を支援している事と、カタールの国営放送の発言が問題とのことですが、前者は何年も前からですし、発言だけで7か国が国交断絶するのも考えにくいです(ないとは言えませんが)。

しかし、ここ数年とここ数週間の情報を纏めるとおぼろげながらなんとなく見えてきます。前提から順を追って書いていきましょう。

サウジアラビアとイランはメチャクチャ仲が悪い

これが大前提です。いきなりカタール以外の国の話ですが、カタールは小国なので仕方ありません。誤差はかなりありますが、GDP換算で例えると東京都(サウジアラビア80兆円くらい)vs関西圏連合(イラン60兆円くらい)の全面戦争に単独で挟まれている千葉県単独(カタール20兆円くらい)を想像してこの先の話を読むと理解しやすいと思います。(千葉県民の方ごめんなさい)

同じイスラム圏ですが、関東圏と関西圏の文化の違いより深いですが同じように、サウジアラビアとイランは元々文化が異なります。この背景はサウジアラビアはスンニ派国。イランはシーア派国と言った違いがあります。これはイスラムの教えを大事にするか、血統を大事にするかの優先順位の問題で、ムハンマドの死後1400年以上続く派閥争いです。

この前提があり元々仲はあまりよくありません。長年の各国との外交面としてシリア内戦やイエメン情勢などを巡り対立していました。

2016年初頭にサウジアラビアがイスラム教シーア派の有力な宗教指導者ニムル師を含む47名を処刑しました。この処刑にシーア派国家のイランは激しく反発。抗議する群衆が首都テヘランのサウジ大使館を襲撃するなど、混乱が広がりました。その結果サウジアラビアは報復としてイランとの国交を断絶しており、1年以上溝は深まり続けています。

 

イランとカタールはガス田を共同開発している

イランとカタールはシーア派国とスンニ派国ということもあり、本来特に仲のいい間柄ではないのですが、ペルシャ湾の中のイランとカタールの間にガス田があることから、二国間でガス田を共同開発しており、運命共同体のようになっています。

 

また、イランとの付き合いは、隣にある地域の強者であるサウジアラビアに小国が対抗するバランスのためのカウンターウェイトとして重要な外交でした。

この危うい状況を支えていたのは、カタール国内にあるアメリカ軍基地の存在。イスラム国の掃討作戦にはカタール軍、サウジアラビア軍合同で仲良く作戦に当たっており、司令部はこのカタールのアメリカ軍基地から行われていました。アメリカとの付き合い上、アメリカの重要拠点を抱えたカタールはサウジアラビアから見るとウザい存在としてみられつつも、多めに見られてきたのです。

千葉県が東京都に飲み込まれないように、「関西との商売もあるんだから足元みんなや。世界の玄関の成田空港もウチにあんだぜ?冷たくしていいの?ん?」と、見栄を張る感じですね。(たびたび千葉県民の方ごめんなさい)

 

パレスチナ自治区を実効支配している「ハマス」の最高指導者がカタールに亡命中

イスラエルと対立しているパレスチナ自治区を実行支配している組織に「ハマス」と「ファタハ」があります。この内「ハマス」の最高指導者ハーリド・マシャアル氏はカタールで亡命生活を送っています。そのため、カタールとハマスは接点が多い環境にあります。

 

 

ここまでが数年前から続く前提のお話。

ここから先はここ最近数週間のお話。

 

5月20日サウジアラビアにトランプ大統領が訪問12兆円の武器輸出に応じる

トランプ大統領は初外遊の最初の訪問先としてサウジアラビアを訪問しました。盛大な歓迎を受け、武器売却の大型契約に署名した。

ここでイランに対する政策や、カタールの米軍基地の扱いについても話し合いが持たれた可能性が非常に高いです。

5月22日イスラエルにトランプ大統領が訪問イランとパレスチナについて会談

サウジアラビアを訪問後、そのままイスラエルを外遊し、イランが「テロリストや民兵に人殺しをするための資金を与え、訓練し、装備を提供している」と演説した他、ネタニヤフ首相に対し「イランは核兵器を決して手に入れない。それははっきり言える」とイランに対する強硬姿勢を表明しました。

また、トランプ大統領の娘婿であるクシュナー大統領上級顧問の悲願でもある、イスラエルとパレスチナの和平合意に関しても話し合われたとのことです。

5月24日カタールの首長がハマスを支援する発言

カタールの国営放送はタミム・ビン・ハマド・アール・サーニ首長がパレスチナ自治区を実効支配するハマスを支援することや「イランに敵意を抱くのは賢明ではない」といった旨の声明文を掲載しました。カタールは即座にハッキングされたと釈明をしましたが、同国に本拠地を持つ中東のCNNことアルジャジーラも同時にイランのことを「イスラムの強国」との首長の声明文を発表しており単なるハッキングとは考えにくい事件が発生しました。アルジャジーラはアラブの春を先導するなどにより中東各国から問題視されており、特にサウジアラビアからは名指しで批判されるなどされていました。

ちなみに、タミム・ビン・ハマド・アール・サーニ首長はアルジャジーラの創立者であり、毎年30億円近い運営費を支援しています。

 

その後サウジアラビアや他の湾岸諸国は、アルジャジーラなどカタールのメディアを遮断。各国のマスコミはカタールの外交姿勢を痛烈に批判する報道を続けました。

6月4日サウジアラビアを中心とする4か国がカタールとの国交を断絶

上記の通りサウジアラビアやバーレーンとカタールの国交が断絶しました。

 

 

 

ここからは私個人の憶測です。

上記の事をまとめて察するに、多分サウジアラビアに対しアメリカから「カタール国内に米軍基地あるけど気にしなくていいよ!」と言った返答があったのではないかと。

 

中東最大の米軍を駐留させていることから、カタールとアメリカの関係は良好ではありましたが、トランプ政権最大の課題であるパレスチナ問題を解決するにあたり、邪魔なハマスを支援しているカタールはトランプ政権にとって邪魔です。イランと仲が良いことも邪魔です。カタールを切り捨てる事でパレスチナ問題とイラン問題が一気に楽になるんじゃね??とアメリカは考えたのではないでしょうか。

 

もちろんその考えはアメリカに配慮してカタールの扱いに困っていたサウジアラビアにとっては願っても無い事です。アメリカさまの後ろ盾を経て1週間ほどかけエジプトやバーレーンに根回しをした上で、カタールに対し要求を突きつけたんじゃないでしょうか。

カタール切り捨てで、駐留していた米軍の穴を埋めるのは、サウジアラビアに販売が確定した12兆円分の武器です。12兆円分の武器と言ってもわかりにくいですが、日本の自衛隊が進めている26中期防による「総兵力24万人」の「5年分」の武器調達額は24兆6700億円です。24万人の自衛隊5年分の調達額の半分を東京都のGDPほどしかない国が揃えるのです。それに対し、元々駐留していたアメリカ軍は1万人。駐留規模としては大きいですが、抜けたとしても、どう考えても12兆円分のサウジアラビア軍の補強の方が抜けた穴より大きい。結果中東におけるアメリカ側の軍事力は、カタールが切り捨てられたとしても維持されます。

 

こういうシナリオなんじゃないかなーと、6月6日段階では思っております。

続報入り次第更新しますね。

 

※6月7日追記

トランプ氏「中東訪問でカタール問題協議」ツイッターで明かす - WSJ

トランプ大統領はTwitter上でカタール問題について議論した事をツイートしました。「彼らは過激派への資金供給に厳しく対処すると言った。そして、すべての発言がカタールを指していた」「サウジアラビア訪問で国王や50か国と会った成果が、すでに出ているようだ」とツイート。

今回の問題に対しアメリカが関与している可能性が非常に高い事を示しています。

 

カタールの今後も含めた中東情勢の行方は?

不明です。

すみません・・・・。

もし完璧にわかれば石油先物でど大儲けしている所なのですが笑

なにぶん中東やイスラムの専門家でもないし、今回あまりにも情報が不足しているので私からは何とも言えない状況です。今後もニュースで報道されたことをベースにまとめて追記いたします。

しかし、わかっていることもあります。いいことではないですが。

上に書いたように今回トリガーとなった事件が具体的にどれなのかは不明ですが、トリガーがあろうと無かろうと、ここ数年カタールとサウジアラビア、エジプトの関係性は冷え込んでいました。都度サウジアラビア側からは忠告があったのですが、数年単位でカタールはことごとく無視してきました。つまり、数年単位の軋轢が表面化しただけとも言える今の事態が数週間で解決する可能性はほぼゼロに等しく、少なくとも数か月。ほぼ数年単位の時間を要するものと考えられます。

 

そのため、一般の日本人が出来る事と言えば、ひとまず以下の3点です。

■既に予約している航空券があれば変更する。

まだ払い戻しできる日程の内にキャンセルし別の航空会社を予約しましょう。

■これから予約する航空券は中東、イスラム圏の航空会社を避ける。

カタール航空、エミレーツエアライン、エディハド航空などは格安チケットの常連ですが避けた方が賢明でしょう。ターキッシュエアラインズがセーフ寄りの微妙なラインでしょう。

※6月13日追記

【トルコ主要各紙の目玉ニュース】 2017年6月12日 | TRT 日本語

トルコがカタールにターキッシュエアラインズを用いて1000トンの食糧支援を行っていると報道。支援自体は素晴らしいことですが、情勢的には・・・・。ヨーロッパへのご旅行は安い中東経由ではなく、フランクフルト経由や直行便が賢明でしょう。

 

■旅行先を再検討する。

当然これも考慮に入るかと思います。

 

上級者向けとしては逆張りで

(たぶん)激安になるカタール航空の安チケットでヨーロッパを計画する。

ってのもいいかもしれません。勿論オススメはしませんが。

パリでテロがあった際はパリ往復4万円とかのチケットありましたからね・・・

特典航空券のキャンセル枠を狙いまくる。

のも、マイラー的にはいいかもしれません。

あ、いくら安くなっても中東旅行はダメですよ。カタールから外に出れませんから。

 

 

続報が入り次第追記します。

ではまた。